北海道では、今年度で計画期間を終了する「北海道アウトドア活動振興推進計画」について、現在、新しい計画を策定しています。
意見募集について、詳しくは下記をご覧ください。
新しいアウトドア活動振興推進計画に関する道民意見の募集について
北海道のアウトドアのこれからを決めていく重要な計画です。興味のある方は、是非ご覧いただき、ご意見のあるかたはお送りください。
意見募集は、11月4日(日)までです。
ご参考までに、新しい計画の原案を下記に転載します。(文字化け対処のため、一部番号の文字を入れ替えています)
新しい「北海道アウトドア活動振興推進計画」(原案)
一 計画策定の考え方
1 趣旨
アウトドア活動は、自然とのふれあいを通じて北海道らしいライフスタイルを提供するとともに、心に豊かさや潤いを与え、個性豊かな人材を育み、魅力あふれる地域づくりに貢献し、将来の北海道の自律的な発展を牽引する大きな
可能性を有しています。
豊かな北海道を将来の世代に引き継ぐとともに、アウトドア活動の持っている可能性を最大限に生かした地域づくりを進めるため、道は、平成13年10月にアウトドア活動の振興の基本的な方向を示す「北海道アウトドア活動振興
条例」(以下「条例」という。)を制定しました。
新しい計画は、アウトドア活動の振興に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、条例第7条第1項の規定に基づき、平成14年6月に策定した「北海道アウトドア活動振興推進計画」を見直し、今後のアウトドア活動の振興に向けた道の中期的な施策の方向性を明らかにする計画として策定するものです。
この計画は新しい北海道の観光のくにづくり行動計画や他の関連する計画と、整合性を図りながら推進していきます。
なお、道民、アウトドアガイド、アウトドア事業者については、この計画に則した自主的、積極的な取り組みを期待します。
2 計画の位置付け
この計画は、中期的視点に立って、条例の目的を実現するために道が講ずるアウトドア活動の振興に関する施策の方向を明らかにするものであり、北海道の「新しい総合計画(仮称)」の特定分野別計画としての性格を有するものです。
3 施策推進の視点
アウトドア活動の振興に関する道の施策の推進に当たっては、条例の基本理念に基づき、次の視点に立って、道民の理解を深めながら、アウトドア活動の振興に関する施策を総合的かつ計画的に推進することとします。
(1)人と自然との共生
自然を直接利用するアウトドア活動が、活動の場である自然環境に与える影響を予測することは難しい面がありますが、将来にわたりアウトドア活動の振興を推進していくためには、活動の場となるフィールドの自然環境を保全しつ
つ、その持続的な利用を図っていくことが必要です。
将来の世代が、豊かな自然の恩恵を享受できるよう、人と自然との共生を図りながらアウトドア活動が展開されていく必要があります。
(2)地域に根ざした個性豊かな人材の育成・確保
アウトドア活動は、自然や地域への理解と愛着を持ち、アウトドア活動を通じて多くの人に北海道の魅力を伝える人材を育んでおり、そうした人材が地域に定着することにより、地域づくりの担い手として活躍していくことが期待さ
れます。
また、アウトドア活動は、自然環境保全の必要性を認識し、自然との調和の大切さを理解する機会を与え、自然の中での学習の機会を提供するもので、青少年の健全な育成にとって極めて有効なものとなっています。
このような人材を育成・確保することは、豊かな自然とふれあえる社会づくりや活力ある地域づくりにつながって行きます。
(3)北海道らしいライフスタイルの形成
誰もがその個性や能力に応じて容易に、かつ、安全にアウトドア活動を楽しむことができる環境を整えることにより、アウトドア活動に親しむ北海道ならではの心の豊かさや潤いを実感できるライフスタイルが生み出されます。
(4)アウトドア活動の振興に資する産業活動の活発化
自然環境に恵まれた北海道の優位性を活かしたアウトドア活動等の体験型観光は、新しい観光の柱として、今後の北海道観光を牽引する可能性があることから、多彩な体験メニューや様々な地域資源と組み合わせることで、観光入り込み客数や観光客の滞在日数を増やし、観光消費額の拡大や地域経済の発展に大きく寄与することが期待されています。
また、安全で質の高いアウトドア体験サービスを提供するアウトドアガイドの育成や健全なアウトドア事業を行うアウトドア事業者の発展に努めることは、利用者にアウトドア活動の楽しさ、素晴らしさを伝えるとともに、アウト
ドア産業の振興につながっていきます。
4 計画期間
平成20年度から24年度までの5か年とします。
なお、この振興推進計画は、アウトドア活動を巡る情勢の変化等に適切に対応できるよう、必要に応じて見直しを行います。
二 アウトドア活動を巡る現状と課題
1 アウトドア活動をめぐる現状
雄大で豊かな自然環境に恵まれた北海道には、6つの国立公園、5つの国定公園、12の道立自然公園があり、なかでも知床国立公園のある「知床地区」は平成17年7月に「後世に引き継ぐべき人類共有の財産」として我国で3例目となる世界自然遺産に登録されました。
このように、アウトドア活動に好適な立地条件にある北海道では、多くの人々が、心の安らぎや感動を求め、様々なアウトドア活動を楽しんでいます。
その一方で、アウトドア活動を行う人々の増加や、アウトドア事業者の急激な拡大に伴い、自然環境や地域の住民生活及び産業活動への影響や、事故の発生が懸念されています。
これらの課題に対処しながら、アウトドア活動の振興を図っていくため、平成13年10月に「北海道アウトドア活動振興条例」を制定し、道民及び関係者等とともにアウトドア活動の振興に取り組む考え方を明らかにしました。
また、平成14年6月に、この条例に基づき、アウトドア活動の振興に関する基本的事項を定める「北海道アウトドア活動振興推進計画」を策定し、アウトドア活動に対する道民の理解の促進や、「北海道アウトドア資格制度」を活
用したアウトドアガイド及びアウトドア事業者の育成、アウトドア活動の場である自然環境の保全、アウトドア活動指導者の育成、自然とふれあう場づくりや機会の提供などアウトドア活動の振興につながる基盤や環境の整備等に取り組んできました。
(1)体験型観光の現状
北海道の観光は、近年、海外及び国内の観光地との競争激化や、観光に対するニーズが多様化するなか、食、景観、温泉などの恵まれた観光資源に依存した通過型、団体型の従来の旅行形態での観光は頭打ちになってきています。
「量より質」、「物質的豊かさより精神的豊かさ」、「効率性よりゆとり」を重視する価値観の変化が進む中、観光の分野においても、「高級」、「ゆとり・潤い」、「芸術・文化」、「健康」、「生涯学習」志向の体験型観光への関心が高
まっています。
また、今後、高齢化の進展や団塊世代の一斉退職などにより、自由な時間に恵まれたシニア層が増加してきています。
北海道では、登山、カヌー、ラフティング、トレイルライディング(ホーストレッキング)などのアウトドア活動が盛んに行われていますが、これらの活動は観光振興の面で大きな可能性を有しています。
地域によっては、冬季のスキー、スノーボードを中心とした観光地が、夏季のラフティング、カヌー、乗馬等の体験メニューの浸透により現在では、通年型の観光地に成長しています。
近年、家族でアウトドア活動による体験型観光を楽しむ機会が増えています。
また、国内の小中高校生が修学旅行等の目的として、北海道のアウトドア体験等の体験型観光のメニューへの関心が高まっています。
それに加え、中国、台湾などの東アジアの地域からの教育旅行も増加しています。
広大な大地、季節感あふれる自然環境、豊富な観光資源に恵まれた北海道は、すばらしい景勝地や新鮮な食材を提供する条件が揃っており、これらの条件を活用したアウトドア活動等の体験型観光は、他県に対する優位性を持っていることから、一層の振興が期待されています。
(2)アウトドア資格制度とアウトドア事業の現状
道民をはじめとして、より多くの人々に安心してアウトドア活動を楽しんでいただくためには、質の高いサービスを提供するアウトドアガイドやアウトドア事業者の育成が重要であることから、北海道独自の基準として、一定レベル
以上の知識・技術・経験を有するアウトドアガイドの認定や安全で質の高いサービスを提供する優良アウトドア事業者の登録を行う「北海道アウトドア資格制度」を平成14年4月に創設しました。
この資格制度は、「山岳」「自然」「カヌー」「ラフティング」「トレイルライディング」の5分野を対象としており、平成19年3月末までの北海道アウトドアガイド資格取得者は延べ561人、優良アウトドア事業者は16事業者となっています。
(3)エコツーリズム推進法の制定
環境保護に対する意識の高まりや、自然と直接ふれあう体験への欲求の高まりを背景として、自然環境保全に配慮しながら、時間をかけて自然とふれあう「エコツーリズム」の取組が全国的に広がりをみせる一方で、地域の環境への配慮を欠いた自然体験ツアーや観光活動により自然環境の悪化が見られることから、適切なエコツーリズムを推進するための総合的な枠組みを定める「エコツーリズム推進法」が平成20年4月1日から施行されます。
この法律は、自然環境保全に配慮しつつ、エコツーリズムを通じた自然環境の保全、観光振興、地域振興、環境教育の推進を図るものです。
このため、今後、国による「エコツーリズム推進方針」の策定や、同法の動向に注目しながら、必要に応じて、施策への反映を検討していく必要があります。
2 アウトドア活動を巡る課題
これまで、「北海道アウトドア活動振興推進計画」に沿って、上記の諸課題にも対処しながら、アウトドア活動の振興に向けた取り組みを進めてきました。
今後とも、アウトドア活動の場である自然環境の保全、事故の予防に関する情報提供と啓発、アウトドアガイド及びアウトドア事業者の育成のほか、地域の住民生活や産業活動等への影響の低減等アウトドア活動に関する基盤及び環境を整備する取り組みを引き続き推進していくとともに、それらを足かがりとして、アウトドア活動を活かした体験型観光の発展に向けた取組みを含め、アウトドア活動の一層の振興を促進していく必要があります。
(1)自然環境の保全
アウトドア活動振興の基盤となるのは、豊かな自然環境ですが、アウトドア活動が場合によっては、自然環境の保全に影響を及ぼす側面を有しています。
自然とのふれあいに対する関心や志向の高まりを背景に近年、アウトドア活動が盛んに行われていますが、一方で、アウトドア活動に伴う自然環境への負荷の増大や、地域の住民や他のアウトドア活動者等との摩擦が懸念されます。
登山の分野では、登山者の集中による登山道の浸食や周辺の植物の踏みつけ、登山者が放置したゴミやし尿の処理の問題など、自然環境等に影響を及ぼす様々な問題が生じています。
このような環境への負荷の増大は、アウトドア活動の基盤であり、将来の世代に引き継いでいくべき貴重な財産である自然環境に悪影響を及ぼすことにつながります。
自然観察の分野では、過剰な利用(オーバーユース)や不適切な利用(ミスユース)、による希少種やその他の生物の生息など自然環境への悪影響が懸念されます。
カヌー・ラフティングの分野では、利用者の増加に伴い、漁業等の産業活動や地域住民の生活との軋轢、オジロワシ、シマフクロウ、タンチョウ等の希少種に及ぼす影響、河川やその周辺地域の過密な利用による自然の魅力の減少等が懸念されます。
本道の良好な自然環境を将来の世代に継承していくためには、アウトドア活動の基盤となる自然環境を保全していくことが求められています。
(2)安全性の確保
自然のなかで行われるアウトドア活動には、気象や地形などの自然条件や動物などのがもたらす様々な危険が伴います。
アウトドア活動を行う際には、このような危険に対する正しい知識を持ち、事前に危険の存在を予測し、回避することが求められています。
特に山岳の分野では、「百名山ブーム」を背景とする登山ブームが続いており、これに伴い、道内でも中高年の登山者を中心に遭難事故が発生してます。
平成9年から18年までの10年間に、道内で発生した山岳遭難事故300件の内容をみると、転倒、滑落・転落、道迷い、病気、疲労(熱中症を含む)の順に多く、これらの事故のなかでは、体力や技術の不足のほか、装備の不備や
参加者の体力・体調への配慮を欠いた無理な日程など登山に関する基本的な知識や安全に対する認識の不足が原因と見られるケースが多く指摘されています。
また、アウトドア活動に関する知識や技術、体力や技術のレベルが様々な参加者を受け入れるアウトドアガイドやアウトドア事業者は、参加者の安全に対する大きな責任を負っており、事故を起こさないための安全対策を最優先課題として取り組んでいく必要があります。
(3)アウトドア資格制度の普及
近年、自然への関心の高まりや体験する観光への関心の高まりを背景として、アウトドアガイドを利用して、様々なアウトドア活動体験を楽しむケースが多くなっていますが、アウトドアガイドには、利用者の安全の確保、自然環境の保全への配慮とともに、ホスピタリティの向上が求められることから、安全で、質の高いサービスを利用者に提供するアウトドアガイドとアウトドア事業者を育成する「北海道アウトドア資格制度」の一層の普及を推進していく必要があります。
(4)地域の住民生活、産業活動等への配慮
生活の「ゆとり」や「うるおい」を自然とのふれあいに求めるライフスタイルの変化に伴い、遊漁が盛んになってきています。
これに伴い、水産資源、漁場、漁港等の利用を巡る様々なトラブルが発生しており、資源の持続的な利用体制や秩序ある水面の利用体制の確立が求められています。
三 アウトドア活動の振興施策の基本方向及び展開方向
道内におけるアウトドア活動の振興を通じて、こころの豊かさと生活の潤いが感じられる、魅力ある地域づくりを推進するため、道民、アウトドア活動関係者・団体、国、市町村、その他関係機関との協力、連携を図りながら、次の
基本方向と展開方向に沿って、施策を推進します。
1 アウトドア活動に対する理解の促進
基本方向
アウトドア活動振興条例の趣旨に対する理解を深め、アウトドア活動の振興を図ることの意義やアウトドア活動を行う際のルールとマナーの啓発を通じて、安全で健全なアウトドア活動の振興を促進します。
アウトドア活動の魅力や道内のアウトドア活動、アウトドア資格制度に関する情報提供を行うと共に、学習の機会を提供し、道民等がアウトドア活動に親しむ機運の醸成に努めます。
展開方向
1)アウトドア活動に関する情報の提供
・インターネットやパンフレットなど様々な広報活動を通じて、アウトドア活動に関する情報の提供を進め、アウトドア活動の魅力を広く道民等に啓発し、アウトドア活動の振興に向けた機運の醸成に努めます。
2)学習の機会の提供
・高等教育機関や市町村、民間事業者が実施する公開講座を体系化して情報
提供を行う「道民カレッジ」の実施により、アウトドア活動を含めた生涯学習等の機会の提供を進めます。
2 アウトドアガイド等の育成
基本方向
アウトドアガイドの資質向上への意欲を高めるとともに、ガイドの社会的評価が向上するよう、「北海道アウトドア資格制度」の活用を通じて、自然環境への配慮、高いホスピタリティ、安全性の確保など、質の高いサービスを利
用者に提供する優れたアウトドアガイドの育成を促進していきます。
さらに、環境教育の推進及び青少年の健全な育成を図るための青少年自然体験活動指導者や人と自然との橋渡し役となるボランティアレンジャーなど、アウトドア活動に関わる様々な指導者の育成を図ります。
展開方向
1)アウトドアガイドの育成
・「北海道アウトドア資格制度」を活用し、自然環境の保全に配慮しながら、安全で質の高いサービスを提供するアウトドアガイドの育成を図ります。
・北海道のアウトドア事業に対する信頼性の向上に寄与する資格制度の一層の普及を図るため、より多くのアウトドアガイドが「北海道アウトドアガイド資格」を取得していただけるような取組みを進めます。
・アウトドア活動関係者等と連携のうえ、資格を取得したガイドが利用者から選ばれるなど、取得した資格が、より生かされるような取組みを進めます。
2)アウトドア活動指導者の育成
○スポーツ指導者の発掘・登録などスポーツ指導体制の整備
・各種スポーツ・レクリエーション指導者の有効利用を図るため、スポーツリーダーバンクの充実に努めます。
○青少年自然体験活動指導者の養成
・青少年の健全育成を図る野外教育を推進するため、自然体験活動に必要な専門的知識・技術を有する優れた指導者を養成します。
○アウトドア・スポーツ指導者の養成
・本道の豊かな自然を活用し、自然保護や安全性を確保したアウトドアスポーツの振興を図るため、指導内容や方法について研修を行い、指導者の養成と資質の向上を図ります。
○ボランティア・レンジャーの育成
・自然保護思想の普及啓発を図るため、自然環境や動植物の生態などについて解説を行い、人と自然との橋渡し役となるボランティア・レンジャーの育成を図ります。
○遊漁指導員の育成
・北海道遊漁指針に基づき、釣り人全体の模範的な存在となり、マナーやモラルの向上やルールのもとで行う遊漁の普及、定着を推進するボランティア的存在の遊漁指導員の育成を図ります。
○青少年教育施設ボランティアの養成
・青年の家・少年自然の家が行う体験事業の中で、施設の指導者とともに活動する施設ボランティアの養成を図ります。
○環境教育指導者の養成
・環境教育において重要な役割を担う自然解説員など環境教育指導者の養成を図ります。
3 アウトドア事業者の育成
基本方向
アウトドア事業者の資質向上への意欲を高めるとともに、アウトドア事業の社会的評価が向上するよう、「北海道アウトドア資格制度」の活用を通じて、自然環境への配慮、高いホスピタリティ、安全性の確保など質の高いサービス
を利用者に提供する優れたアウトドア事業者の育成を促進していきます。
北海道アウトドアガイド及び優良アウトドア事業者に対する社会的評価が向上するよう、「北海道アウトドア資格制度」に対する社会的な認知度を高めるとともに、制度の一層の普及を図ります。
展開方向
1)アウトドア事業者の育成
○アウトドア事業者の育成
・「北海道アウトドア資格制度」を活用し、自然環境の保全に配慮しながら、安全で質の高いサービスを提供するアウトドア事業者の育成を図ります。
・北海道のアウトドア事業に対する信頼性の向上に寄与する資格制度の一層の普及を図るため、より多くのアウトドア事業者が「北海道アウトドア資格制度」の「優良事業者」の登録をしていただけるような取組みを進め
ます。
・アウトドア活動関係者等と連携のうえ、登録を受けた「優良事業者」が利用者から選ばれるなど、「優良事業者」の登録が、より生かされるような取組みを進めます。
○アウトドア事業への創業、経営の支援
・アウトドア事業者及び開業を予定している者の経営基盤の確立等新たな産業活動創出への取組みを支援します。
・事業の経営が安定するまでの間に必要となる事業資金の融資の円滑化を図ります。
2)アウトドア事業者等に対する支援
○アウトドア事業者団体等の取組みに対する支援
・アウトドア事業者団体等によるアウトドア事業者の事業実施体制の整備等に向けた取組みを支援します。
4 自然とふれあう場の保全
基本方向
アウトドア活動の持続的発展のためには、将来にわたって国民、道民共有の財産である自然環境を適切に保全していかなければなりません。
そのため、すぐれた自然地域の保全や野生生物の保護を図るとともにアウトドア活動にあたって、自然環境保全に関する各種法令等が遵守されるよう、道民の理解の促進を図ります。
また、アウトドア活動による自然環境への影響を最小限に抑えるためには、法令を遵守するだけではなく、アウトドア活動を行う者一人一人が自然環境を保全することの大切さを理解し、自然との正しい接し方を身に付け、実践していくことが必要となります。
そのため、動植物との接し方や、希少な動植物の保護に配慮した活動のあり方などについて、アウトドア活動を行う際のマナー等として普及啓発を図っていきます。
さらに、自然環境に対する負荷の低減を図るために必要な施設の整備に努めていきます。
アウトドア活動に伴う環境への影響や地域住民との軋轢等については既存法令による規制や個々人の努力だけでは解決しない課題も多くなっています。
そのため、アウトドア事業者等によるルール形成の努力や、地域での問題解決のための取り組みを促進していきます。
また、漁業と遊漁が調和した、水産資源の持続的な利用及び水面の秩序ある利用体制の確立を図り、漁業の安定的な発展と、遊漁の健全なレジャーとしての定着をめざします。
展開方向
1)マナー・ルール等の普及啓発
・アウトドア活動を行う者、アウトドアガイド及びアウトドア事業者が自然環境を保全し、地域の住民生活や産業活動等に配慮したアウトドア活動等を促すため、自然環境等への配慮、安全対策などに関する様々なマナー
・ルール等の普及啓発を図ります。
2)すぐれた自然環境の保全
○知床世界自然遺産の保全
・遺産地域の自然環境の保全と適正な利用を図るため、知床の原生的な自然にふさわしい利用ルールの普及啓発を進めます。
○自然公園等のすぐれた自然環境の保全
・国定公園、道立自然公園、道自然環境保全地域等の適切な保護管理を進めます。
・すぐれた自然環境を有する地域の道自然環境保全地域等への指定を進めます。
・すぐれた自然の風景地の自然公園への指定を進めます。
・湿原生態系の適切な保全を図ります。
・国際的に重要な湿地のラムサール条約への登録を推進します。
・自然再生事業を推進します。
・道自然環境保全地域、環境緑地保護地区等の保全のために必要な施設の整備や保全事業等を実施します。
・自然公園の保護と適切な利用を進めるための施設整備を推進します。
・自然公園や自然環境保全地域等及び鳥獣保護区等の適切な保護管理が行われるよう、自然保護監視員等を配置し、違法行為の監視や利用者の指導を図ります。
○「北海道自然環境保全指針」に基づくすぐれた自然地域の保全
・「北海道自然環境保全指針」に基づき、アウトドア活動の基盤となる自然環境を保全して、将来の世代に本道の良好な自然を継承していきます。
○鳥獣保護区の指定等
・身近な鳥獣の生息地の保護を図るための鳥獣保護区の指定等を進め自然とのふれあいや環境教育の場を確保します。また、野生鳥類とのふれあいの場である野鳥の森等の維持管理を行います。
○森林やみどりの保全
・多様な生態系を有する森林の保全を進めます。
・森林の持つ公益的機能をより高度に発揮させるための森林整備を進めます。
3)産業活動等との調和
○漁業などの産業活動の安定的な発展への配慮
・北海道遊漁指針の方向性を踏まえ、遊漁者のマナーやモラルの向上ルールに基づいた資源・水面の利用を図ります。
5 自然とふれあう場の確保、機会の提供
基本方向
多くの人が安全に、快適なアウトドア活動を行うことのできる場や機会を確保し、提供することは、人々が自然とのふれあいを通じて、精神的な安らぎや満足を得たいという欲求を充たす機会だけでなく、環境教育における学習の機会、産業や地域に対する理解を深める機会を提供する効果が期待できます。
このため、道民が自然とふれあうことのできる自然公園や、森林、海岸都市公園などの施設整備を進め、自然とふれあう場の確保に努めます。
また、これらの施設を利用した体験プログラムや教育プログラム等の実施を通じて、道民等が自然と接する機会を提供するための条件整備を進めます。
展開方向
1)自然とふれあう場の確保
○豊かな森林とふれあう場の確保
・「道民の森」や「21世紀の森」等の活用を通じて、豊かな森林とふれあう場の確保を進めます。
○海とふれあう場の確保
・海とのふれあいや海岸浴を行う場を確保するため、海水浴、キャンプ、散策路等の整備を促進します。
○自然体験型のレクリエーション施設の整備
・自然とのふれあいを楽しむアウトドア活動の機会を拡充するため本道の風土や地域の特色を生かした自然体験型のレクリエーション施設の整備を進めます。
○国立・国定公園や道立自然公園における利用施設の整備
・国立・国定公園や道立自然公園の優れた風景地の保護と適正な公園利用を推進するため、遊歩道や野営場、植生保護のための木道設置等、自然公園施設の整備を進めます。
2)自然とふれあうための条件整備及び機会の提供
○森林とふれあう機会の充実
・グリーンインストラクターなどを活用し、森林とふれあうプログラムの提供、道民の森や道有林等を活用した森林観察会や森林教室の開催など、道民が森林とふれあう機会を充実します。
○エコツーリズムの推進
・地域特性を踏まえたエコツーリズムを推進します。
○グリーン・ツーリズム推進のための受入体制の整備
・地域における実践活動、子どもや高齢者等の自然・農業体験に支援を行うとともに、交流施設や体験農園の整備を支援し、自然とのふれあい、農作業や乗馬など農村ならではの体験ができるグリーンツーリズムによる都市との交流を促進します。
○身近な自然と親しむ機会の確保
・自然に対する知識と理解を深め、自然を大切にする機運を高めるため、自然教室などの開催や自然に係る情報提供等を行います。
○自然と親しむ野外体験活動の機会の充実
・青少年の心身ともに健全な育成を図るため、自然体験学習や野外体験活動の機会の充実を図ります。
6 体験型観光の推進
基本方向
近年、自然とのふれあいへの関心が高まっており、アウトドア体験を目的とした観光に対する需要の拡大が見込まれるなか、地域の特色を生かした体験型観光の推進に向けて、体験事業者等とも連携しながら、魅力ある商品づくりを進めるとともに、教育旅行の受入促進などに取り組むとともに、道民、道外観光客及び外国人観光客の利用拡大に向けた受入体制づくりを促進します。
展開方向
1)地域の特色を生かした魅力ある商品づくり
・アウトドア事業者等との連携により、地域の特色ある資源を活かした体験メニューの発掘や世代のニーズに応じた体験メニューなど魅力ある商品づくりを進めます。
・地域の体験観光事業者間の連携を通じて、アウトドア、グリーンツーリズム、マリン・ツーリズム等を幅広い分野にわたる地域資源のコーディネートによるユニークな観光商品づくりを促進します。
・北海道の冬を楽しむスポーツやアウトドア活動との組み合わせ等により、オフシーズンにおける体験メニューの拡充を促進します。
2)受入体制の整備
○外国人観光客の受入体制の整備
・外国人観光客に安全で満足度の高いサービスを提供するため必要な情報、ノウハウの提供を通じて、アウトドア事業者による受入体制の整備を促進します。
3)体験型観光の宣伝・誘致
・アウトドア体験を含む道内の体験型観光に関する各種の宣伝、プロモーション活動を通じて、体験型観光に対する需要の拡大を図ります。
四 各主体に期待する役割
条例の基本理念を実現していくためには、アウトドアガイド、アウトドア事業者、アウトドア活動を行う者、道民がそれぞれの立場から様々な取組を推進して、自然環境の保全、住民生活との調和等に努める必要があります。
1 アウトドアガイド及びアウトドア事業者
アウトドア活動を行う者にガイドサービスを提供するアウトドアガイドやアウトドア事業者は、安全の確保とともに、自然環境の保全、住民生活、産業活動への配慮が求められます。
また、アウトドアガイドは専門家として、アウトドア活動を行う者に対し、安全の確保、自然環境の保全等のため守るべきアウトドア活動のルールとマナーについての指導を行うことが期待されます。
このほか、アウトドアガイドには、プロのガイドとして、常に利用者に安全で、より質の高いサービスを提供できるよう、レベルの維持及びスキルアップに努めていくことが期待されます。
また、アウトドア事業者には、体験観光事業者として、利用者に安全で良質なサービスを提供するため、優れたアウトドアガイドの育成、確保に向けて、ガイドのスキルアップを図る社内研修の充実に努めていくことが期待されます。
2 アウトドア活動を行う者
アウトドア活動を行う者は、野外活動に伴う危険性をよく認識し、自らの責任で安全の確保に努めることが求められます。
また、アウトドア活動を行う際には、活動の種類や活動場所に応じたルールとマナーをよく守り、自然環境の保全のほか、他の活動者、地域の住民や産業活動等に影響を及ぼさないよう配慮することが求められています。
3 道民
道民には、自然とふれあうアウトドア活動を通じて、自然のすばらしさ、大切さを理解し、将来の世代のために、自然環境を保全する心を育てるとともに、自然と共生する北海道らしいライフスタイルの形成が心の豊かさと潤いを実感できる社会の実現に寄与するものであることについて認識することが期待されます。
アウトドア活動を理解し、より多くの道民がアウトドア活動の体験を通じて、ゆとりと潤いを実感できる生活を送ることが期待されます。
五 計画の推進
1 推進体制
時代の変化に適切に対応したアウトドア活動の振興を図るため、アウトドア活動の実態を踏まえた施策を機動的かつ効果的に進める必要があります。
このため、庁内各部局との横断的な連携を図りながら、計画の実効性ある推進に努めます。
2 道民、アウトドア事業者、行政機関などとの連携・協力
振興推進計画の推進に当たっては、アウトドア事業者をはじめ、道民等の主体的な取組みを基本に、国や市町村と連携して取り組んでいきます。
また、アウトドア活動を巡る地域課題を解決していくためには、道民、アウトドア事業者、行政機関など様々な主体の協働の取組みが必要であることから、効果的なネットワークの形成などに努めます。
3 推進管理
振興推進計画の推進に当たっては、アウトドア活動を巡る情勢の変化等に対応した的確な施策の展開を図ります。
また、振興推進計画に基づく施策の推進状況を把握し、施策への反映に努めます。