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北海道のなだれ事故 4

現在ニセコではルールに基づき、客観的に危険が予想される日にはゲートを閉じ、コース外に人を出さないようにしている。ロープをくぐる人は相変わらず多い。しかしそれが原因する結果を説明することで、そのような人は減り始めている。ニセコローカルルールは定着し始めたと言える。

勿論、中には自由の侵害であると、ルールを守らないことを公言する人たちもいる。しかしこのような登山やテレマークスキー愛好者の一部の行動や言動は自由の履き違えでしかない。ニセコローカルルールはスキー場のルールであって山のルールではない。スキー場を利用して安易に山に入ろうとする のなら、先ず多数の安全のために作られたこのルールの意味を理解し、守るべきなのだ。そもそもここが山ならルールは必要ない。山には他人に強制されるルールなどないからだ。ニセコローカルルールはここがスキー場であるが故の、やむを得ない理由から作られたルールなのだ。
標高1308mの山の1150mまでリフトが架かるこの山では、天気が良ければ誰もが山頂に登れるし、どこでも滑ることができる。道具や知識、経験を問わず、その権利がここでは認められている。その上で地域は全てのスキー場利用者の安全に関心を持ち、その自由を可能な限り尊重しようとしている。これがルールの根底に流れている考えだ。

ルールが浸透し始めた理由はそれが信頼に値し、滑り手の安全を守るとともに、自由が尊重されていることを大勢が認めた結果だと思う。「客観的危険」についてもここでは共通の理解が生まれ始めている。客観的危険の予測とは、雪崩が起こりやすい条件を具体的に示すことだ。

ニセコなだれ情報が出されるようになって15年経った。この10年ニセコの事故は減り始めている。死亡事故は1998年1月28日の春の滝事故と1999年3月13日の東尾根事故以来、起こっていない。山域も気象条件も異なるから一概には言えないが、日本各地で雪崩事故が増える傾向にあるのに対し、かつてあれだけ事故が多かったニセコの雪崩事故は確実に減り始めている。

ニセコでは主に降雪推移から雪崩危険評価を行う。ニセコなだれ情報は毎朝8時にスキー場に掲示される。積雪断面観察(ピットチェック)は毎日行われる。これは当日のなだれ情報の適否を確認する重要な作業だ。しかしピットチェックや弱層テストだけで危険判定はしない。初心者に雪崩発生の仕組みを説明したりするにはわかりやすい方法だが、これだけで雪崩リスクを判定することは殆んど出来ない、というより危険だ。雪崩の発生にはあまりにも不確定要素が多いからだ。また雪崩は人がかかわって初めて事故になる。この人的要因を無視すれば、情報は信頼されない。

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