- 2008-10-12 (日) 23:50
- 連載:プロフェッショナル論
「アウトドアガイド」という言葉でひとくくりにしていますが、分野によって、その仕事の内容も想定される理想像にも大きな違いがあります。たとえ同じフィールドをガイドするのであっても、山岳ガイドとネイチャーガイドでは概念が違うようにも思えます。
そこで、「ガイド」なるものの本質とは何だろうか、ということを考えました。
私なりの一つの解答は、【 ガイド=冒険を手伝う人 】ということです。
冒険とは、自分にとって未知の世界へ旅することであり、困難な山へ登ることであったり、激しい川を下ることであったり、さらには知的好奇心を刺激し自分の内面へ深く洞察を広げることも含まれるのではないでしょうか。だとすれば、山岳ガイドなどはもちろんのこと、身近な自然を案内するネイチャーガイドも「静かな内なる冒険」の手伝いをする仕事であるということができます。
今日、特に日本では、大人も子どもも冒険することをカッコイイと思わない価値観が広がっているように思えてなりません。
本来であれば、子どもは好奇心の塊であり、冒険することは人間の本質的な志向であるはずなのに、「無難に、スマートに、効率的に」生きるために、既存の世界、既存の価値観の中に納まっていくように教育されているのではないでしょうか。
冒険する人は、既存の枠組みから外に出ようとします。それが新しい発見をもたらし、社会の多様性を広げ、発展に貢献するのです。
しかし、冒険の過程で異端な存在となることもあります。保守的な人々は、その異端な存在を嫌い、否定することで自らを守ろうとします。思うに、現在の社会は、その異端者が出現することを予め防いでしまえというような風潮にあるのではないかと思います。
これでは、多様性が薄れ、日本という国の文化がどんどん先細りしてしまう恐れがあります。
アウトドアガイドは、冒険を手伝う人。
必ず持っているはずの冒険心を忘れてしまおうとしている人たち。彼らが一歩先へ踏み出すための後押しをしてあげるのが仕事です。
安全にサポートし、行く先を示してあげることで、眠っていた冒険心を呼び起こしてあげるのです。
前回、動機と情熱というエントリーで「何のために仕事をするのか?」ということを書きました。どんな職業にも果たすべき社会的使命、ミッションがあるはずです。
社会の多様性を広げ、発展を助けることにつながる「冒険の手伝い」が、ガイドに求められる一つの重要なミッションではないかと思うのです。
竹内聖(たけうちせい)
2003年から、北海道アウトドア協会事務局で、アウトドア資格制度の運営やアウトドア協会運営に関する様々な仕事に携わる。
http://takeuchisei.com/
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