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北海道のなだれ事故 1

1980年代半ばから90年代後半にかけて、ニセコは雪崩事故で9名の命が失われた。その後の事故防止活動は一定の成果をあげ、ニセコでは8年にわたって死亡事故が起こっていない。その一方で各地での雪崩事故が頻発し、今年3月の積丹岳に続き11月23日には十勝連峰で4名の命が失われた。

この稿では雪崩事故が何故起こるかを雪崩教育のありかたやニセコの事故防止対策の説明などから考察した。また制度上の不備や観光優先による危険軽視などへの意見も述べた。ニセコの事故防止に関わってきた者として次の点を強調したい。雪崩事故は防ぐことができる。不可抗力の事故はない。

参考資料としてニセコなだれ情報の抜粋、2008年度版ニセコローカルルール及び雪崩事故防止啓発ポスターを掲載する。


去る11月23日、十勝山系上ホロカメットク山の雪崩事故によって尊い人命が失われた。亡くなられた4人の方たちは日本山岳会北海道支部の会員であり、冬山訓練のために入山した矢先の事故だった。団塊の世代に属する人たちが見出した山への憧れがこのような結末を迎えたことが、同じ世代に属する者として残念でならない。

上ホロカメットク山はオプタテシケ山、美瑛岳、十勝岳、富良野岳と連なる十勝連峰の山々のひとつだ。今回事故が起きた白銀温泉や十勝岳温泉を中心とする一帯は優れた登山根拠地として昔から知られており、最近ではそのアプローチの容易さやパウダーブームの影響を受け登山者やスノーボーダーなどが増加し、事故発生が懸念されていた。

私はニセコで雪崩事故防止活動に取り組んでいる。かつてニセコは日本で最も雪崩事故の多い山だった。十勝連峰が冬山登山の山として人気が高かったと同様、ニセコ連峰もまたスキー登山の山としての立地条件に優れ、山に入る人が多かったためだ。

ニセコにはスキーの名手は多いが冬山登山の経験者は少ない。35年前ニセコで暮らし始めた私は、町に住む人たちと共に事故のたびに捜索に参加してきた。捜索の結末はその多くが遺体発見に終わった。

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