2008年 4 月 の記事一覧

人がすごい、自然がすごい-酪農学園大「北海道アウトドアガイド実習報告」(5)

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釧路湿原自然ガイド講座を終えて

地域環境学科 2年 笹原奈津子

私は今回のガイド講座で、多くを学んだ。ガイドとしての知識は勿論だが、人間として成長したような気がする。
釧路湿原は、私がいつか行きたいと思っていた憧れの地であった。ガイドについて色々と教えてくださったのは安藤さんという、去年酪農学園大学の講演にお越 し頂いた方だ。安藤さんは自分がやりたいこと、好きなことを仕事にしており、私は彼の生き方にとても憧れた。憧れの地で、憧れの方に教えて頂く。なんて素 晴らしいのだろう。今回この講座に参加したのは私のそういった思いからだった。
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釧路での6日間は非常に充実したものであり、時間が経つのが早く感じられた。しかし、釧路で流れていた時間はいつもの時間の流れとは違っていた。別世界と 言えば些かオーバーかもしれないが、空の色や雲の形、雨の音や川の流れ、満天の星に流れ星、太陽の眩しさ、緑の輝き…ひとつひとつに命があるのだと、感じ た。
自分が皆をガイドするというのは、予想外の事態だった。私は自然の中で育ったにも関わらず、植物の名前はわからない。出来る訳がなかった。初めてのガイド を終えて思ったことは、実習先である釧路について事前学習が必要だということと、基本的な植物や鳥の名前を覚えて来なければならないということだ。来年 は、実習に参加する人達で集まり、事前学習やミーティングを行うべきだと思う。ガイドと言えないガイドをした私に、安藤さんは色々なアドバイスをしてくだ さり、また私の長所を見出してくださった。そして、私にしか出来ないガイドをやればいい。と仰ったのである。安藤さんはひとりひとりを真剣に見てくださ り、正面から向き合ってくださった。そんな安藤さんを私はとても尊敬した。
私はこの実習の全てが意味のあるものだと感じた。ガイドの練習だけでなく、ヒッコリーウィンドでの食事やコンサート、トーキングサークルなど、兎に角何か ら何まで新鮮であった。そのひとつひとつに私は刺激され、成長したと思う。以前にも増して仲間達と打ち解けあうことが出来、本音で語り合うことが出来たこ とも、人と接することが好きな私にとって凄く嬉しいものであった。
最後になりましたが、今回お世話になった方々に心からお礼申し上げます。

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人がすごい、自然がすごい-酪農学園大「北海道アウトドアガイド実習報告」(4)

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鶴居村アウトドアガイド実習で私が学んだこと。

地域環境学科 3年 麻生雄司

私は、今年の9月6日から10日にかけて、北海道アウトドア資格の実習として釧路の鶴居村を訪れ、実際に自然ガイドの資格を持つ安藤誠さんのもとで勉強さ せていただいた。鶴居村は、その名のとおり特別天然記念物である丹頂が頻繁に見ることができ、村内には鶴居・伊藤サンクチュアリという丹頂の大給餌場もあ り、毎年多くの観光客が足を運ぶ。また、丹頂以外にも野鳥や植物など自然豊かな鶴居村のフィールドの中で、安藤さんの指導を受けながら私たちは、現実的な ガイドとしての技術の習得以上に人間と自然との関わり方や、ある時は危険な面も持つ自然との接し方について学ぶことができたと思う。
今回、私がガイド実習を受けるきっかけになったことは、大学1年の頃から自然ガイドの資格を取るために継続して勉強してきたからだ。実際、私は大学に入る まで野鳥や植物の名前はもちろん、自然に対する知識を全く持っていなかった。野鳥の名前一つ覚えるにしても、森の中で野鳥の名前と声を一致させるのも一苦 労で、「自分は本当にガイドになれるのか?」という想いが自分の中にあり、次第に勉強もしなくなった。この実習では、私たちは3日目と4日目に複数でチー ムになりお互いにガイドをしあうということを行った。フィールドはヒッコリーウィンドへ続く砂利道周辺の自然を対象に、あらかじめ調べたことをガイドで見 せあい、最後に合宿所で安藤さんから評価をいただくというものだ。野鳥やテキストの勉強はしてきたが、実際にガイドをすることは初めてだった私にとって、 この実習はとても新鮮でなおかつ自分の知識を人に伝えることの難しさを実感した。そして、狭いフィールド内でも沢山の種類の植物が見られ、その知識を覚え て説明するだけでも多くの経験が必要であると感じた。だが、この経験を通じて分かったこともある。それは、ガイドという仕事が自然の知識のみを必要とする のではなく、その知識を参加者へどのように伝えるか、ということだ。ガイドとは最終的には参加者からお金をもらう仕事なので、参加者に対して知識を教える 以上に楽しんでもらうことを重要視する。例えばそれは、最低限度のマナーであったり、大きな声で話すことを心掛けたり、参加者一人ひとりと積極的にコミュ ニケーションをとるなど、参加者の側に立った心遣いである。そのことを意識して、他のメンバーのガイドを注意して見ると、皆個性的でそれぞれが独自の教え 方をしており、テキスト通りの教え方などないのだ、ということを痛感した。そして、例え自分が最低限の知識しかもっていなくても教え方次第でも充分相手を 楽しませることを知り、私は少しガイドになる自信をつけることができた。

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実習の最終日には安藤さん自ら、聖域と呼ばれるキラコタン岬で私たちにガイドをしてくれた。安藤さんは、私たちを連れて歩きながら双眼鏡などの装備を使 い、様々な角度から自然を見せた。普段から、安藤さんはキラコタン岬をフィールドにしているらしく、全く整備されていない草むらや獣道でも躊躇なく進んで いく。プロのガイドとして参加者を案内するということは、自分が案内するフィールドを熟知していなければならない。また、自然に如何に影響を与えずにガイ ドができるかということもガイドの力量が試されるのである。例えば、私たちは歩いている途中、一匹のシマリスを見つけることができた。シマリスは本来、中 々見ることができないため、当然参加者は双眼鏡やカメラで撮影したくなるだろう。しかし、ここで冷静になって考えてみると、元々人間はこのフィールドには 入ることができない。そのため、シマリスにとってカメラをもって近づいてくる人間は恐ろしくて危険な存在なのだ。安藤さんもそのことをよく理解しているた めか、ある程度写真を撮るとその場をゆっくりと離れていった。ガイドは確かに参加者を楽しませることが大事だが、普段は入ることのない自然に入る以上、ガ イドは自然に必要以上の負担や影響を与えないように最善をつくす義務がある。これは個人的に私が感じたことだが、安藤さんはガイドについて話すとき、しき りに「プロの」を付けていた。それは、安藤さんがアウトドアガイドとして仕事をしていることに誇りを持っているだけではなく、プロとして認められているか らこそ、自然に対しても人に対しても責任を持たなければならないことを自覚しているからこそ言えることだと感じた。
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現在、ガイド実習を終え報告書としてこのレポートを書いているが、そんな今だからこそ正直に言えることがある。それは、自分がこのアウトドアガイド実習に 乗り気ではなかったということだ。メンバーは自分以外1・2年生で、ほとんどの人と喋ったことがなく、それだけでも不安でした。実習の内容は当日まで分か らない、鶴居村もどのような町か検討がつかず、さらにはお世話になる安藤さんとは約1年前に、酪農学園大学の講演を聞いただけで全く話したことがないとい う状態。私は、できるならば今すぐにでも帰りたいとも思った。しかし、そのような気持ちも合宿所での共同生活や実習などでお互いに協力し話す機会を持つこ とで、徐々に解消されていった。私が今でも特に記憶に残っていることがある。実習の終わりごろにヒッコリーウィンドの前でバーベキューした際、ストーン サークルという儀式を体験した時で、焚き火を囲み丸く輪になった私たちは、安藤さんを交え自分が今、皆に伝えたいと思うことを一人ずつ話していった。ゆっ くりとした、普段の生活では味わえないような時間のなかで、本音を語りあえたことで、たった5日間だけの実習でも、お互いのことを少し知ることができた印 象深い時間だったように思う。
最後に、お忙しいなか私たち実習生を受け入れ、丁寧に教えていただいた安藤さんを初め、鶴居村でお世話になった多くの方々。そして、頼りなかったにも関わ らず、「リーダー」と慕ってくれ、一緒に実習を受けた地域環境学科の皆。そして、今回の実習に行く機会を与え、尽力してくださった岩井先生にも感謝を申し 上げたいと思います。本当にありがとうございました。

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人がすごい、自然がすごい-酪農学園大「北海道アウトドアガイド実習報告」(3)

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安藤誠さんからのメッセージ

すべてが初めてづくしの酪農学園大学学生実習だが結果として素晴らしい経験と時間を学生有志たちと過ごすことができた。
私の今回の初実習の目的やねらいはいかに彼ら彼女らのいいところや才能、魅力、可能性を見つけ出し本人の自信に繋げていけるか。
生き方やライフスタイルはいろいろな形があり自由なことや将来の夢に明るく向かって歩ける希望を持てるようにすることなど。

まさに無から有を生み出すプロセス。しかし学生たちの可能性は素晴らしいものが溢れていた。謙虚であり大胆。無邪気であり真剣。純粋さの残るところに大人の考え。それは不揃いそして不規則だが素晴らしく輝く宝石のような存在。そんな素敵な学生たちとともに目的を持って過ごしていく時間が素晴らしいのは当然であろう。

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フィールドでの模擬ガイドシュミレーションを何度もやってお互いで講評したり実際に特別保護区の雄大な自然に触れてみたり。
五感と心を刺激する時間や経験が積めていればいいと思う。自然を好きになる自然ガイドならあたりまえだがそれ以上に人を好きになってほしい。そんな私からのメッセージも彼らはどのように受け止めたのだろうか?私は心から学生たちと共に実習のプログラムを通じて皆の感性に感動させられ勉強させていただいたと感謝している。

20代前半学生から社会人へ、子供から大人へ。そんな人生の特別な時期になんらかのかたちで彼ら彼女らの力になれたらと心から思う。
そしてともに学び感動できたらどんなに素敵だろうか。
最後の夜にアラスカのネイティヴアメリカンに習ったトーキングサークルでも皆静かに熱く語ってくれた。自分自身に友人に親に。
焚き火の炎を囲み皆で静かに語らう。自分の思いや友達や同世代の思いや意見を共有し考えること。
戸惑いながらも全員で進めることができたさまざまなプログラム。

私も学生たちと一緒に未来に向かってともに歩けるような時間や実習を組み立て実行していけたらと思う。
試行錯誤はあるだろうが初心、今回学生たちから感じ学んだ素晴らしい感性やフィーリングは変わらず失われないように大いに実習に生かしていきたい。

この素敵な民間と大学の橋渡しをされた熱意と暖かさの岩井氏に最大の感謝の言葉を。
自ら考え決断し積極的に参加した勇気ある学生らに心から感謝の気持ちを添えて。


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人がすごい、自然がすごい-酪農学園大「北海道アウトドアガイド実習報告」(2)

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「釧路湿原自然ガイド講座」で思ったこと

地域環境学科教員 岩井 洋
(北海道アウトドアガイド資格制度担当)

北海道アウトドアガイド資格制度の自然ガイド資格取得への支援として、「釧路湿原自然ガイド講座」が9名参加のもとで行なわれました。9月6(木)14: 00に鶴居村教育委員会合宿所に集合し、そこを根城に9月7(金)・8(土)・9(日)・10(月)の4日間講座を行い、参加者のつごうで半数は9月10 (月)に、残り半数は11(火)に鶴居村を離れました。講座の4日間は、毎日9:00~10:30、10:40~12:10、14:30~16:00と指 導が行なわれ、270分×4日間の全体で18時間という非常にハ-ドな内容でした。
この企画が本学でも初めての試みなので、私も9月6日に鶴居村に出向き、指導していただく安藤さんと、宿泊所を提供してくださった鶴居村教育委員会に挨拶をし、かつ実習開始への下準備を手伝いました(手伝ったつもりです)。
6日早朝に江別を発ったときは曇り空だったのですが、釧路に着いた頃から雨が降り出し、釧路駅でレンタカ-を借り鶴居村に着いたときには激しい雨になっていました。
約束の時間に皆合宿所に集合してくれ、安藤さんも来てくれました。久しぶりの安藤さんお元気そうで、頼もしく感じました。それからも何だかんだするうち に、はっと気づくと帰りの釧路発特急の発車時間が予想外に早くに迫っているではありませんか。地理に全く不案内なので、釧路-鶴居間の移動時間を短めに考 えていました。失礼も省みず、あわてて雨の中を合宿所から飛び出ました。しかし、借りた某会社の某車種は「環境に優しい!」が売りなのですが、普通の車と は微妙に違うシステムで、エンジンがなかなかかからないのです。時間が迫っていると思う心も知らぬげに、慌てれば慌てるほどエンジンはいっこうにかからな いのです。結局は釧路駅には何とか間に合ったのですが、大変でした(某車の面倒くさいシステム何とかならないんでしょうか!!「環境に優しい!」に引かれ て、我が家での次回の車購入では前向きに検討中なのですが…)。
しかし鶴居村の合宿所で非常に気になったのですが、参加した学生諸君が皆いつもと違ってひどく寡黙で重苦しく、顔付きが浮かなくてなにかしら全体に不安感 が漂っているではありませんか。合宿所の状態が期待していたほどにきれいではないためか、お互いはじめてのもの同士もいるということのためなのか、あるい は、合宿という共同での寝泊まりが始めての経験であるためなのか、あるいは食事が自己調達であったり、湿原で朝から夕方までガイド実習が待っているためな のか。しかも雨中のこの村この雨この合宿所、この人たち・・・・。そして「おっかなそうな!?」安藤さん…。
私は、彼らの大きな不安と鬱屈したやるせない思いを背に感じながら、わが子を厳しい世界にあえて置き去りにするような思いで、後ろを振り返らぬようにして 釧路に戻りました。帰りの特急の中でも不安は残り、皆は最後まで本当にやりとおせるのかなという思いや、私が言い出したこの企画良かったんだろうか等等、 汽車の窓外に流れ行く雨中の風景を眺めながら、さまざまな思いが錯綜し続けました。その心配は、次の日も次の日も合宿中も消えることはありませんでした。

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しかし大学での夏休みでも学期中と変わらぬ忙しさにかまけるうちに、何時の間にかそれも忘れ、気が付くと「釧路湿原自然ガイド講座」は終わっていました。
夏休みもそろそろ終わるという頃に、参加していた一人の学生が私の部屋を訪れました。私は悪い予感がし、嫌な報告を聞かねばならぬのかと覚悟を決めて緊張 して身構えていました。ところがソフア-に座ったとたん彼女は、満面の笑みを浮かべて、鶴居村での「安藤学校」(「安藤シュ-レ」-ドイツ語です!!)が どんなに楽しくためになったかについて、とうとうと述べ始めたのです。安藤さんの、学生の人間性を豊かに発掘する見事な手腕や、釧路湿原での感動的な体験 について堰を切ったかのように次々と話し始めたのです。彼女は以前から浮かない表情の学生でしたが、大変に明るく積極的な学生になっていました。
その後会う参加学生がことごとく、彼女と同じく講座中にあったことを伝えたくてたまらなかったように、安藤さんと過ごした豊かな充実した時間、安藤さんの 人間的な素晴らしさ、釧路湿原に大らかに生きる安藤さんの素敵な生き方について生き生きと熱っぽく伝えてくれました。そして「釧路湿原自然ガイド講座」に 今後もぜひ参加したいと口々に言ってくれました。彼らの表情は、あの鶴居村で講座開始前日に見せていた重苦しい表情では全くなく、明るい晴れやかな顔でし た。

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一期一会とよく言われますが、それは人生における人との出会いの豊かさ貴重さを言います。豊かな人間性に満ちた人との出会いは、人生の宝物です。見るから に「やさしい!!」安藤さんは、その風貌の底に本物の豊かなやさしい人格を有しています。安藤さんを見ていると、人の愛というものはそれが本物であればあ るほど、「愛している」という言葉にはならないように思われ、具体的行動のなかに滲み出てくるものだと思えてきます。そして自然を本当に愛する人は、人を も本当に愛する人だとも思えてきます。本物の自然ガイドとは人間ガイドであり、自然教育は人間教育なのです。そのことを、今回の「安藤シュ-レ」で私も学 ばせていただいた次第です。
先日安藤さんに来年度の実施についてお願いしたところ、「参加者が一人でも私はいたします。」と快諾してくれました。
最後になりましたが、安藤さんの奥様にもそして娘さんにも学生達がお世話になったことについて、この場を借りて心からお礼を申し上げたく思います。

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人がすごい、自然がすごい-酪農学園大「北海道アウトドアガイド実習報告」(1)

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「人がすごい、自然がすごい」

これは、北海道アウトドア協会のポスターにあるキャッチコピーだ。ポスターは、釧路湿原の写真に筆文字でこのキャッチが書かれている。

実は先日、まさにこのキャッチコピーを現実に映し出したような、熱いレポートを送っていただいた。そのレポートとは、酪農学園大学地域環境学科の学生たち が、釧路湿原に程近い「ウィルダネスロッジ・ヒッコリーウィンド」でネイチャーガイドをしている安藤誠さんのもとに実習に行ったときの報告書である。
学生の単なる夏休実習のレポートならば普通は面白くもないのだが、このレポートには正直、驚いた。
世間では「ゆとり世代」と呼ばれる年代の彼ら。「自分の得になることしかしない」「冷めている」など、批判的に評価されている世代だ。
しかし、彼らのレポートから伝わってくるものには、全ての若者をひとまとめに評価している世間の声とはかけはなれた「熱さ」があった。何かに目覚めた感動が伝わってきた。

私が得た大切なものは、自然に対する関心・興味・尊敬など、【自然を感じる心】と【仲間】だ。それらは実習後の今も変わることなく存在し続けている。
(大場一樹君の報告から)


こんな言葉を素直に発することができる若者たちがいる。
北海道の人は、本当に「すごい」のだ。改めて、そう感じた。

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では、次のページから、その報告書の内容を漏らさず掲載するので、是非、お読みいただきたい。彼らの言葉から、きっとあなたにも得るものがあるはずだ。

酪農学園大学地域環境学科「北海道アウトドアガイド実習報告」
5日間のスケジュール

9月6日
14時合宿所集合→安藤さんとご対面オリエンテーション→買出し→夕食→ヒッコリーウィンドで座学(装備等)

9月7日
鶴居村消防署でファーストエイド講習→昼食→合宿所で座学(ガイドの救急、熊等)→川や畑などで自然観察(双眼鏡の使い方、樹木等)→ヒッコリーウィンドまでの道でガイド講習の下見→図書館で各自勉強

9月8日
ガイド講習(3人グループ)→安藤さんガイド→昼食→合宿所で座学(講評等)→自由時間(各自下見or図書館)→夕食→ヒッコリーウィンドでよしだよしこさんコンサート

9月9日
図書館集合→晴れてきたので予定変更→ガイド講習(6人グループ)→昼食→合宿所で座学(講評等)→安藤さんご両親の畑で芋ほり・ガラス見学→ヒッコリーウィンドで焚き火BBQ(野外調理、ホスピタリティー学習)トーキングサークル

9月10日
安藤さん宅集合→安藤さんガイドでキラコタンガイド実習→原っぱで昼食→合宿所で解散

9月11日全員帰宅

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アウトドアガイドという職業(1)

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これから、「プロフェッショナル論」と題して、プロガイドには何が必要なのか、どういうことを考えるべきなのか、ということを連載コラムに書いていきたいと思います。
どのように展開していくかはわかりませんが、少しでも皆さんのお役にたてる内容になるようにがんばります。
このコラムは、主に北海道のアウトドアガイドのみなさんに向けて書くものですが、もちろん違う地域、職業の人にも読んで欲しいと思っています。

さて、最初のテーマはアウトドアガイドという職業について。
この連載はアウトドアガイド向けに書くとは言っても、読者にはガイドではない人もいると思いますので、まずは、アウトドアガイドとは何ぞや?というところからスタートします。そして、アウトドアガイドというお仕事の大切さについても。
「ガイド」という言葉で、一般の人たちが思い浮かべるのは、きっとバスガイドさんかなと思います。
バスに乗って、お客さんに観光地の説明や、それにまつわるいろいろなお話を聞かせてくれます。歌を歌う人もいますね。要するに、観光地の情報案内をする人たちがバスガイドです。
Guideの約は辞書にも「案内人」とあります。

そして、「アウトドアガイド」は文字通りアウトドアフィールドでの案内人です。
ただし、ここで他の案内人と違うのは、「困難な、あるいは危険なフィールドや状況においても、安全に」お客さんの目的を達成させてあげるという役割を持っているということです。
それは、極端に言えば、人の命さえも背負っている案内人であるということです。

この職業について知らない人は、きっと、「いつも山や川でお客さんと遊んでいるだけで、お金がもらえていいね。」というように考える人もいることでしょう。
もしかしたら、普段は、お気楽な仕事に見えるかもしれませんね。
しかし、実際は、非常に重い責任を背負っているのです。

アウトドアガイド。

日本では、まだ、あまり認知されていない職業ではありますが、人の命を預かっているという点では、医師や飛行機のパイロットなどと同じように、尊い職業なのです。

皆さんには、ガイドの仕事に対する理解をして、尊敬してほしいなと思います。
そして、ガイドをしている皆さんは、誇りを持ってほしいと思います。


竹内聖(たけうちせい)
2003年から、北海道アウトドア協会事務局で、アウトドア資格制度の運営やアウトドア協会運営に関する様々な仕事に携わる。
http://www.takeuchisei.com/